創業は文政13年(1830年)。当主は代々永吉を名乗り、現在は六代目が跡を継いでおります。
「天寿」の字は、中国山東省の泰山の磨崖に2000年もの昔刻まれた、金剛経から写したものです。 歳月だけが刻むことの出来る風格を酒の味に活かすこと、またお飲みいただく皆様への長寿の願いが込められております。
天寿の酒質を語るとき忘れてはならないのが、近代酒造における偉大な技術者であり低温長期発酵型の、いわゆる秋田流の造りを確立し、卓越した技術指導で、秋田の酒を全国に轟かせるまでのレベルに高められた、初代秋田県醸造試験場長の花岡正庸先生です。 先生の醸造指導を受け、天寿の近代醸造の技術は飛躍的に進歩しました。花岡先生には醸造試験場退官後も、昭和18年から10年間もご指導頂き、昭和28年2月当社の酒蔵にて、ご指導中病に倒れ、不帰の人となられましたが、その教えは今に受け継がれ、先生の書による看板が、今も天寿の酒造りを見守っております。
私どもはこれからも「地元でできる最高の酒造り」を目指して、米・水・技にこだわった、皆様にやすらぎを感じていただける酒を醸して参ります。