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蔵元通信

日頃お世話になっている皆様に、私ども天寿酒造が何を考え・守り・求め・挑戦しているのか、その思いをお伝えしご理解いただくために、「蔵元通信」を発行しています。
お酒はどのような狙いで造られたものなのか、季節や旬の食べ物に合うお酒、また飲み方、そして鳥海山の登山口であるこの矢島町の様子などをお届けいたします。

暖 冬
2016-03-01

暖 冬

代表取締役社長 大井建史

二月十三日の天寿蔵開放には多くのお客様にご参加いただき誠にありがとうございました。今回の受付は二千二百人に達し、特にお昼前後は満杯状態となり、様々なご不快をお掛けした事も有ったかと存じます。ご意見をお寄せいただき改善して参りますので、宜しくお願い申し上げます。

今年の暖冬は凄いです。雪解けの一番早い子吉地区ではありますが、三月の中旬に土が出るのですが、例年であれば厳冬期と言える二月の初めに土が出ていました。一時的にとは言え記憶にない現象です。除雪も非常に楽なのは良いのですが、蔵内温度の低温での安定が図れず、どうしても電力を使って機械で冷やす事が必要になります。

二年前に設備した夜間低額電気を使用した蓄冷型省エネ設備が大活躍しています。

秋田には冷蔵・冷凍倉庫業がほとんど無い為、生酒や瓶火入れしたお酒の貯蔵庫を自前で確保しなければなりません。その為今年は、製造計画分のお酒の貯蔵用に瓶貯蔵用冷凍・冷蔵倉庫を新設中で、工期がずれこみ雪中での工事を心配しておりましたが、これまでの所は暖冬の御陰で除雪負担も少なく順調に工事が進んでいます。

資材の高騰や人材不足で、建設費が非常に高くなっているうえ、冷蔵庫自体の壁は本来屋外用で囲いは要らないのですが、矢島の地は積雪が一メートルを超えるので囲う倉庫が必要になるのです。雪が降らない又は少ない地域では工事費が五分の二で済むのです。豪雪地帯ならではの非常に頭の痛い現実です。

それでもご愛顧頂いております「純米大吟醸鳥海山」をはじめ、瓶貯蔵商品の品質保持・品質向上・ご予約数量確保の為に建設に踏み切りました。

この所、純米吟醸系の冷やで美味しいお酒がご注目を頂いて参りました。天寿には燗酒コンクールで最高金賞等を頂いた「天寿純米酒」等、吟醸以外の常温や燗も美味しい自慢のお酒もあります。しかし、さらに進化を求めもう一つ上の美味しさを目指して、ここ三年程秋田県醸造試験場と協力しながら新型の生酛系酒母の研究をして参りました。遠くない将来に新しいご提案が出来るものと、ワクワクしているこの頃です。

常に「もう一つ上の味わい」を目指して今年も挑戦しております。酒蔵では大吟醸のしぼりが続き、二月の末は一関杜氏を先頭に蔵人一同が大わらわです。

是非ご期待下さい。

酒蔵開放を終えて

杜氏 一関 陽介

全国的に暖冬と予想された今年の冬でしたが、弊社のある矢島町もいつもより雪が少なかったように思います。例年この時期になりますと蔵内では鑑評会出品用酒を搾るのですが、気温がこれ以上あがらないよう願うばかりです。とは言っても自然には勝てませんので、自分達の技術と冷蔵設備を駆使し、ここから3月31日までの約一か月間は外気温に細心の注意を払い、徹底した品温・品質管理に努めて参りたいと考えております。

去る、2月13日に毎年恒例となりました酒蔵開放を開催し、二千人を超えるお客様にご来場いただき誠にありがとうございました。

弊社では蔵開放当日、酒造りに携わる蔵人がお客様を蔵の中に案内する企画がございます。昨年までは酒造りの現場(工場内)を入場者全員が自由に入退場できるスタイルをとって参りました。しかし、安全面(タンクへの転落防止など)や衛生面(商品への異物混入防止など)の観点から本年度より入場時間・人数・見学場所を制限し、案内人(蔵人)の目の行き届く範囲での企画とさせていただきました。食品を製造するメーカーとしては今までやっていなかったのが不思議な位当たり前の事。皆様にも理解していただけると思います。 ただ、数時間に二千人のお客様が来るわけです。見学時間・人数も先着順にしてしまったことで、「本当に蔵の中を見たかったお客様をご案内できなかったのではないか」「面白くない思いをしたお客様がいたのではないか」と感じた一日でした。実際、運営に関して当日多くのお客様からご意見を頂きました。貴重な御意見ですので、必ず次回に活かしていければと考えております。

これは一例で、毎年酒蔵開放は沢山のお客様がわざわざ矢島まで足を運んでくださる一年に一度の行事です。私は皆様に楽しんで帰っていただき、また来年も来たい!また天寿を飲みたい!と思ってもらいたい。その為には魅力的な企画や美味しいお酒を提供していくことが当然と考えています。今年の反省をふまえ、何を求められているのかしっかりと考え、来年は更に良いものになるように改善していければと思っております。最後に、これからの季節、出会いや別れ・花が咲く頃には、お酒の席も増えるでしょう。その際は是非、天寿・鳥海山で乾杯していただければと思います。様々な場面で皆様にご利用いただける商品を目指して、残り二か月の酒造りに励んでまいります。

新年に思う事
2016-01-01

新年に思う事

代表取締役社長 大井建史

明けましておめでとうございます。

今年もご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。

年末に少し降った雪も二日から降り続く雨に屋根から落ちた雪以外はすっかり消えてしまいました。今の所滅多にない程の暖冬です。

酒造りの方は順調に進み、四日から兵庫県多可町にある秋田村での契約栽培山田錦特上米による大吟醸の仕込が始まりました。秋田県内最年少杜氏四回目の正念場です。

弊社の原料米は天寿酒米研究会を中心として全てが契約栽培米です。「酒造りは米作りから」の考えから、昭和五十八年に天寿酒米研究会を設立し、最初は矢島の蔵人二人で八十俵からのスタートでした。食糧管理法があり農協に米を出せば高値で売れる時代に、品種を分ける事で天候的な収量の保険としての考え方や、食管法終了後に具体的な売り先を目の前に確保する事の優位を説いて一軒づつ説得した結果、今ではグループとして二千俵を超えて久しくなりました。

私が秋田県酒造協同組合の原料米対策委員長に成ってから7年を超え、その間湯沢地区との県産酒造好適米の契約栽培の品質向上や数量調整と、新品種「酒こまち」の種子の保全・流出防止を図りながら、県外への販売にも努めました。

また、一般酒造米も地域流通米とし全量契約栽培としました。加えて県外ではありますが山田錦の村米制度(地域との契約栽培制度)に団体(酒造組合)として初めて秋田村を実現しました。結果、酒造協同組合経由の原料米はほとんどが契約栽培となっております。

昨年末農大から二名の研修生が来ました。弊社で女子学生を受け入れるのは初めてでしたが、一人は何と私の学生時の卒論実験ペアだった同期の御嬢さんでした。三姉妹の親としては二人の感覚が初々しく時の流れを感じました。伝統産業のそれも長年苦しんで来た中で躍り出すには奇も必要な事ではありますし、色々チャレンジできる技術的な進歩もあります。一世代前と比べると農大醸造学科出身が増え各醸造試験場のご努力もあり、時代の要請からも酒の事を良く知る蔵主が断然増えて来ました(当然のことではありますが)。若い世代が我々の地ならしの後に芽吹き始めました。起きそうで無かった日本酒のブームの気配も出て参りました。その様な今だからこそ真の酒造りを探求しなければなりません。

何事も基本の上に物事は成り立ちますが、何処までその基本を突き詰める事が出来るか…。私にとっての真の酒造りとは何か…。百四十二年の天寿の伝統とは何か…挑戦は続きます。

四造り目を迎えて 

杜氏 一関 陽介

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。また日頃よりご愛顧いただいております皆様方にとりまして良い一年になりますよう、お祈り申し上げます。

さて、本年度の新酒はいかがでしたでしょうか?米の品質は年によって異なります。「今年の原料米は溶ける」という情報を基に米の吸水はやや少なめ、しっかり締めて十月末より仕込みを行って参りました。その為、しぼりたての生酒はとても綺麗な仕上がりになったと思っております。今月から春に向けては、夏の生酒や秋のひやおろし等の仕込みも徐々に始まります。

一年間美味しく飲んでいただく酒を造るわけですから、ただ米を「溶かす」「溶かさない」だけで無く、最高の酒になるような原料米の処理方法を出来るだけ早く手中の物とし、その方法をベースとして、商品コンセプトに合わせ、仕込みに応用させる事が重要です。

毎年新酒の状態が見れる今頃までには出来ていなければいけない事なのですが、なかなか難しいものです。

当然良い酒を造る条件は米の質だけではありません。弊社の設備は麹や醪の温度管理も安定して出来る環境が整ってはおりますが、今冬は暖冬なのか矢島もさらっと雪が積もる程度で蔵内温度も例年より高めで推移しているように感じます。そうした自然環境の変化に対応する温度管理も重要です。

また、杜氏四年目の私が一番大事に思う事は、実際に酒造りを行う為に必要な道具・機械・人です。使う物を修理するのも人です。自分達が使う道具を理解する事、共に働くメンバーを思いやる事、これが欠ける事が一番酒に影響するように感じます。酒造りに大切な事は考えれば色々あって尽きないですが、良いと思った事はしっかりと検証し、取り入れる姿勢を忘れず、本年も励んでまいります。

最後に、私を含め蔵人全員が弊社の社是にあります「製品に誇りを・顧客に感謝を」を常に念頭において「酒造りは人作りである」という考え方と「周りの人への感謝の気持ち」を忘れず、酒造りに取り組む事をお約束して、新年の挨拶とさせていただきます。

目指すもの
2015-11-01

目指すもの

代表取締役社長 大井建史

秋も深まり錦秋の鳥海山を愛でた後に、地元の契約栽培酒造好適米の新米が入荷し始めました。蔵人達も元気に勢ぞろいし、10月25日初蒸しが行われ、気合いっぱいで百四十二回目の酒造りが始まりました。

鳥海山の初冠雪が昨年より半月も早く、天気予測も暖冬で大雪に成る等いろいろ取り沙汰されていますが、今の所冷え込みも早いようです。

お陰様で今年もトータル的に、吟醸・純米酒は増産の計画です。本当に有難いことだと思います。ワイングラスでおいしい日本酒アワードとロンドン酒チャレンジで金賞受賞の「純米大吟醸 鳥海山」と、同じくワイングラスでおいしい日本酒アワードで金賞、スローフードジャパン燗酒コンテスト・プレミアム燗酒部門で最高金賞を頂いた「純米酒天寿」 それから限定流通の「縦書き鳥海山」も増産いたします。その他にも定番商品の品質向上の為に、新型の生酛仕込を試験的に応用実験を行いながら更なる進化を求めて仕込む予定です。

必要とされると言う事が如何に有難い事か…社長に成って十七年目、製造量が五分の一に激減していく経験をし、そのさなかも品質こそ選択の胆と信じて皆と頑張ってきましたが、未だに安定感は覚えません。酒蔵は必要とされないと無くなります。だからこそ飲んでいただくお客様、販売頂く酒販店様に必要とされる酒蔵であり続ける事。呑みたい美味しい酒と思われ続けるために「地元で出来る最高の酒」を目指して努力して参ります。

今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

百四十二回目の酒造り

杜氏 一関 陽介

朝晩の冷え込みが強く、日中との寒暖差が大きくなった矢島は木々の落葉も始まり、冬の気配を感じるようになってまいりました。昨年度の酒造りが終了した四月から早六ヶ月。本年度の仕込みがいよいよ始まりを迎え、蔵人メンバーが入蔵し、一気に蔵内が活気に満ち溢れています。また、約二十年間使用してきた蒸米機も先月から改良に出しておりましたが、使用する四日前に戻るという、ギリギリでのスケジュールでした。内心ハラハラしておりましたが、まるで生まれ変わったかのようにピカピカになって帰ってまいりました。設置後の調整を終え、昨年以上の蒸米に仕上がると思います。ご期待下さい!

造りの準備が始まる中で私は、昨年度の作業実績や酒質の反省を踏まえ、本年度新たにチャレンジする事や、効率的且つ安全に作業を進められるように黙々と作業計画を立てています。会社と相談して決めた製造計画を実際に造りの現場で実現する為に、具体的な計画にするのは結構な仕事量です。ただ、ここを疎かにするとスタートから躓くことに繋がり兼ねません。

杜氏の仕事は、社長の求める酒を実現する事。その為には杜氏としての「統率力」・「判断力」・「管理能力」。具体的には、

・蔵人を率いて目的を達成できる事

・技術面のエキスパートである事

・安全な作業環境を作れる事

これが杜氏としてあるべき姿であると私は思いますし、今立てている計画の中に自分がこれまで得てきたスキルをすべて注ぎ込まなくてはならないと考えています。

毎年の事ながら、今年も仕込み一本目から搾られるまで私のドキドキは止まりませんが、前述の三つの事を胸に刻み、社員全員で良質の製品をお届けできるよう、努力致します。まずはこの想いの詰まった計画で生まれる十二月の初しぼり。是非ご期待下さい!

再び挑戦
2015-09-01

再び挑戦

代表取締役社長 大井建史

天寿の里矢島は、お盆を過ぎた頃から急に朝晩が過ごし易くなり、あれ程待ち望んだ雨もこの頃は青空が待ち遠しくなるような変わり方です。八月の前半まではあまりの猛暑に稲作の高温障害を心配しましたが、この半月の秋めいた状況にその心配はないと専門家が言っておりますので一安心です。ただ、茎が伸び過ぎた事を心配されている方もいますので、台風などで稲が倒れない事を祈るあと半月。稲刈りが終わると酒造りに突入です。

八月二十四日秋田県醸造試験場から場長他三名の先生方が来られ、私も一緒に呑み切りを行いました。これはまず今年仕込んだお酒を全て並べ、異常がないかを確認。その後熟度・酒質等の評価を致します。複数本仕込んだお酒も、別々に一本ずつ唎酒をし、その状況を審査表に書き、他の審査員の評価と照らし合わせます。その後に全員で評価会を行い、良い又は悪い評価が共通の認識となるのか確認をします。

また、私の方から今期の酒造りの狙いや方向の話をさせて頂き、その結果について色々と議論を交わします。この時間が我々にとって多くの教訓やヒント、又励みになります。翌日には関係の深い酒屋さんに呑み切りに参加いただき、さらに議論を深める事が出来ました。ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。

弊社では五~六年の歳月をかけて検討し十年程前からタンク貯蔵に一切炭素を使用しなくなりました。今回は全品異常なしとの評価の後、「精撰(旧二級酒)にも炭素を使わずに貯蔵できる酒質は宣伝に使えますね」とのお褒めを頂きましたので、早速皆様に報告をさせて頂いている次第です。

現在は瓶貯蔵の商品も多く、その仕込みタンク毎の審査が難しく成って参りましたが、可能な限り既に売り切っている商品も呑み切り用に残して審査をしております。

この結果が次の酒造りの挑戦目標・改善目標を明確なものにしてくれるのです。この二年をかけて試験醸造をした七本の生酛系純米酒も、求めていた酸味を造ってくれる様に成って参りました。燗の美味しい落ち着いた純米酒を来年には皆様にお届け出来ると思います。

また、今年は洗米・蒸米の更なる改善を致します。うまく行く様であれば、来年夏には釜場の大工事となる計画です。

今年も一部商品の品薄で大変ご迷惑をお掛けいたしました。安定した大人の酒蔵として可能な限りご希望に応えられますよう努力して参ります。

百四十二回目の酒造り、どうぞご期待ください。

「山内杜氏」

杜氏 一関 陽介

お盆を過ぎ、朝晩が涼しく少しずつ秋の気配が感じられるようになりました。お盆の忙しい時期を終え一休みしたいところですが、蔵内は酒粕のパック詰・ひやおろしの出荷でフル回転しています。

さて、この八月初旬に開催された山内杜氏酒造講習会にて山内杜氏資格試験を受験し、無事合格致しました。入社して十二年目に「山内杜氏」の仲間入りを果たすことが出来ました。今までお世話になったすべての方々に御礼申し上げます。

社内では三年前から酒造りの長「杜氏」に就任しております。杜氏は資格・経験年数ではなく、会社の命令で決まります。ではなぜ杜氏試験を受験したのか…。

①正式な「山内杜氏」となりたかった。

②「山内杜氏」になる事は今までの経験の積み重ねであり、お世話になった方への恩返しになると考えた。

③現役の杜氏として「山内杜氏」という杜氏集団を今後継続・発展させる為の一人になりたいと思った。

この三点が受験の大きな理由です。

現代の清酒業界は杜氏集団や流派などのこだわりは薄くなってきているように感じますが、私は合格したことで「本物感」、「達成感」がありました。また若輩ながら杜氏になれた事で、次の世代へ繋ぐ「緊張感」すら覚えます。

私が今このような事を感じられているのは、間違いなく会社はもとより前杜氏や先輩・家族の教えがあったからだと思います。本当に感謝の一言に尽きます。

酒造りは、杜氏一人の力ではなく、蔵人と共に力を合わせ作業をすることで成り立ちます。チームワークの良し悪しは杜氏の技量。そしてそれがより良い酒質につながると思います。その事を自分の心の中心に置き、合格の喜びを噛み締めながら、「感謝する心」を胸に刻んで今期の造りに向けて準備をしていきたいと思います。

町に思う
2015-07-01

町に思う

代表取締役社長 大井建史

五月の最終土曜日に恒例の「天寿酒蔵寄席」と「利き酒会」を行いました。十二回目を迎えるイベントですが、この所鳥海山麓で開催される「菜の花祭」と同日となっておりました。今年はさらに「東北六魂祭」ともぶつかり集客に大変苦労致しました。小さい地域でも連絡が悪いと勿体ない事になりますね。

内閣府認定の地域産業おこしの会会員の佐藤晃一氏(前支所長)と、矢島の企業数社で町興し応援グループ「矢島未来ネット」を設立しています。グループ内での情報交換や議論がある訳ですが、町内の色々なグループが強い思いと手弁当で活動をしているのに、それを調整する機関がありません。どんなグループがどの様な意図を持ってどんな内容のイベントを何時行うのか?せめて把握している団体には行政絡みのイベントも含め、全体のスケジュール・情報(目的・内容・経緯・場所・日時等)を共有出来る様に、ネットで検索できれば良いのですから、小規模になった支所(元役場)の観光担当にお願い出来ないものでしょうか?

今回の例会における佐藤氏の視察報告で、中高関連校舎建設で存続した矢島高校ですが、また秋田県の見直しが行われており、今後三年間の生徒数で趨勢が決まる様との事。その解決策のヒントとして同じ状況だった隠岐ノ島海士町の島前高校のV字回復や矢島の産業モデルとして、日本最大のジャージー牛の里「蒜山高原」の産業化・「農業法人伊賀の里モクモク手づくりファーム」の企業化と人口の多さではなく、明確なコンセプトと企業化する強い意志を持った人であるとの大変貴重で示唆に富んだ講演を頂きました。

まずはこの三か所を勉強し、矢島出身の議員・役場支所職員・ユースプラトー職員・矢島の町づくりに思いのある市民がそれぞれに研修の機会があるなら一番に行ってみるべき場所と思いました。矢島高校の修学旅行も宜しいのではないでしょうか。それによって矢島の町造りや観光の向かうべき方向・コンセプトが定まるかもしれません。(興味の有る方は佐藤晃一氏に是非お問い合わせください)

この所お会いする皆様に確実に「太りましたね!」と言われる今日この頃ですが、人間ドックでも「あれもこれも病気にギリギリ半歩手前??全ては肥満からです。」とのお医者様の一言。とにかく旨い酒と肴を食べ続けられる為にと、さわやかな天気が続く矢島の里でウォーキングを始めました。

妻にも同行を頼み三日目をクリアし十日も過ぎました。野菜中心の食事になるよう努力し、炭水化物を減らしているつもりですが、今の所体重には大した変化はありません。町推奨の五キロコースを一時間弱で歩くのにも少し余裕が出て来た様な気がします。朝の光が当たる鳥海山は美しく雄大で、田植えが終わったばかりの田んぼも清々しく、我々が歩く励みになります。

運動の為にジャージをはくのも運動靴を履くのも随分久しぶりですが、「二人でだったら何とか続けられそうだね」と妻と仲良く歩くこの頃です。

『考える夏』

杜氏 一関 陽介

桜の花が咲き誇っていたのがつい先日のような気がしてならないのですが、あっという間に梅雨のジメジメした気候になり、いよいよ夏が来る気配すら感じるようになりました。

蔵の中は忙しかった瓶詰瓶殺菌が終わりホッと一息…といきたいところですが、品質管理を第一優先に考え製造部全員で取り組んだ結果、造りの方では一部まだ細部の機械整備・清掃等を残してしまっているのが現状です。

清掃は酒屋の仕事で一番大事と言える作業です。作業の遅れを反省するのは当然ですが、いつもよりさらに丁寧にやらなくてはいけません。秋が来ればまたその道具を使って酒造りをするのですから愛情を込めて手入れする心がけを忘れないようにしたいものです。

話は変わりますが、五月下旬に発表された全国新酒鑑評会にて入賞を果たしました。私が杜氏に就任して三年。三年連続三回目の入賞です。これに関してはクセの少ないキレイな吟醸酒が出来ている評価だと前向きに捉えております。出品するからには金賞を取りたい一心で取り組む訳ですが…金賞に届かない理由があるのでしょう。「来年こそは‼」頑張ります。

そして、その理由を考えたり来年はどんな事にチャレンジしてみようか等、最近は「考える時間」を意識的につくるようにしています。杜氏としてこの三年間は、今までの天寿の味を引き継ぐことをテーマにひたすらに走ってきました。百四十余年続く弊社の酒造りの歴史の中でまだ、たったの三年ではありますが心の中はプレッシャーに押し潰されそうで、悩む事は沢山あっても考えることは少なかった気がします。

仲間と一緒に歩んだこの三年で「自分は何をしてきたのか」「三年間の酒質はどうだったのか」「会社の造りたい酒・お客様に伝えたい酒はどんな酒質なのか」そんな事を毎日考えています。反省点は自分の中に書き留めるとして、今思う事を書かせていただくとすれば、自分の造った酒がいろんな人の為に力を添えるもので在って欲しい。一人で飲む安らぎの酒、大勢で飲む楽しい酒・悲しい酒でも良いと思います。ただ飲む人が必ず前向きになれる酒を醸せればと思います。

その為に自分達は何をするのか。「毎日反省をしっかりする事」「何事もベストを尽くす事」「一つ一つの作業に気持ちを籠める事」「飲む人の気持ちを考えて造る事」だと考えます。

酒米研究会メンバーの圃場を回ると順調に稲も生育しているようです。来期の造りが始まるまで有意義な『考える夏』にしたいと思います。

秋田の酒米の話
2015-05-01

秋田の酒米の話

代表取締役社長 大井建史

百四十一回目の酒造りもいよいよ皆造となり、瓶火入れも休みなく猛然と進めていて、連休直前に酒蔵は静寂を迎えます。

また一造り達成いたしました。総数量としては若干の増石ですが、純米吟醸・純米大吟醸の造りはここ数年大きく増加して来ました。その分蔵人達も気を緩める時が無く、三造り目を終えた一関杜氏も「あっという間でした」との感想、心から慰労したいと思います。

今期の反省会でも色々な話題が出ましたが、若手が増えてくると私やベテランの話が増えて来ます。半年を超える酒造り期間中の油断をしない心構え・一本一本の仕込の大切さ・一本の酒造りの中で自分の仕事がその酒にどの様に影響したかを継続的に呑切りや市販商品を通じて思い知る事等々、最終的には天寿の酒蔵の精神の置き所・心意気までの話となり、その後の飲み会まで延々と続きました。その他にも甑倒し・皆造・和泉会(社員親睦会)と宴会が続きます。本日(四月十二日)矢島の里で最も早く咲き始める天寿前の庚申さんの桜が咲き始めました。心にしみる季節です。

前号でも秋田県の酒米について触れましたが、秋田県酒造組合から酒造好適米の契約栽培をされている湯沢市酒米研究会が最も大きな集団で歴史も長く大変お世話になっています。その他弊社も含め個々の酒蔵との契約栽培グループもあります。

酒造好適米は字の如く酒にしか使えませんので酒蔵の製造計画に合わせて栽培されます。農家が勝手に栽培しても契約がなければ買ってくれるところがありません。ですから全てが契約栽培でなければ成立しませんが、稲刈りが終わり酒蔵が酒造りを始める段階で翌年の契約をしないと契約分の種もみの確保が出来なくなります。翌年に販売する酒造りを始める時に翌々年の酒造りの為の原料米を発注しなければならないと言う難事となる訳です。三十年にわたり減産を余儀なくされた日本酒業界ですから、全体的に弱気の発注になりますし、減産を強いられてきた農家側でも増産には懐疑的になります。そんな三年前の状況ですが、純米大吟醸等の予想以上の好調により増産に対応できず、二年前に酒米不足の騒ぎになった訳です。

酒米は基本的に契約栽培である事を軽視し、発注すれば買える物と勘違いしている酒蔵に大騒ぎしている所が多かったように思いますし、翌年の米不足を恐れ自社のリスク回避のために大量発注し、必要量が確保されると過剰分の数千俵の信じ難い大量のキャンセルを入れた大迷惑メーカーも現れました。

日本酒は原料米が無ければ造る事が出来ません。米価が高く、頼んでも生産性の悪い酒米の栽培が難しく、粘り強い説得で契約栽培集団を作り上げた、三十数年前の天寿酒米研究会立ち上げの頃とは違い、現在は米価の下落で酒米生産を希望する農家は急増しています。しかし、減産と米価の下落が続いても、手間のかかる酒米を造り続けて頂いた酒米農家を犠牲にして、自社の急造酒米グループ作りに走る事無く、今こそしっかりと酒蔵が協力し合って信頼される行動をしていかないと、逆に県内の酒米の生産体制が崩壊する可能性があると警鐘を鳴らしているこの頃です。

皆造を迎えて

杜氏 一関 陽介

雪が例年より少なかった冬も終わり、気が付けば桜の枝の蕾も膨らんで今にも開きそうな気配すら感じる気候になりました。

今期の酒造りも三月二十四日に無事仕込みが終了し、四月十二日に皆造(全て搾って終わる事)を迎える事が出来ました。最後まで事故無くやり抜けた事は、毎日共に酒造りに向き合った蔵人各々がチームワーク良く楽しく仕事に取り組んでくれた事にあると思います。また、今期は仕込みの大きさに大小はありますが、百十七本もの仕込みをする事が出来ました。私達の造る商品を日頃から御愛飲いただいている皆様方のおかげと、本当にありがたく思っております。

振り返ると今年の原料米は良く溶けるという予測で酒造りが始まりました。「良い蒸米にしよう」「どうにか溶け過ぎを防ごう」と原料処理の担当者と毎日蒸米を見ては相談したのを覚えています。

「イメージ通り、天寿らしい酒になるだろうか…」一本目を搾るまで毎年ドキドキのスタートな訳ですが、今期の初めに搾った純米吟醸酒「初槽純吟生酒」がワイングラスでおいしい日本酒アワードで最高金賞を頂くという結果を出す事が出来ました。運もあったのでしょう。しかし、手前味噌になりますが出来る事をしっかりとやり遂げた成果でもあると思います。

今年度の新酒でこのような結果を出す事が出来ましたが、当然喜んでばかりもいられず、四月に入り搾り上がった純米吟醸酒の瓶詰・殺菌作業、今年酒造りに使用した道具の手入・清掃と社員総出で忙しい毎日を送っております。これも皆様に「美味しい」を届ける為。「お客様にお届けするまでが酒造り」を忘れない様、走り続けます!

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