年齢確認

このサイトはお酒に関する内容が含まれています。
20歳未満の方への酒類の販売は行っておりません。

あなたは20歳以上ですか?

蔵元通信

日頃お世話になっている皆様に、私ども天寿酒造が何を考え・守り・求め・挑戦しているのか、その思いをお伝えしご理解いただくために、「蔵元通信」を発行しています。
お酒はどのような狙いで造られたものなのか、季節や旬の食べ物に合うお酒、また飲み方、そして鳥海山の登山口であるこの矢島町の様子などをお届けいたします。

ご挨拶
2000-01-01

ご挨拶

代表取締役社長 大井 建史

新年おめでとうございます。

天寿酒造通信も、第二号を発行させて頂く運びとなりました。

酒蔵では、新年に入った現在、杜氏の威信をかけた大吟醸の仕込みの真っ最中で、造り蔵全体に清々しい緊張感が満ちております。

今年は、全ての酒の造り方を見直しており、精米の仕方(偏平精米を含む)・洗米・酵母選定・麹・酒質タイプなどをより鮮明にさらに向上させながらも、「あくまでも天寿らしいお酒を」、と蔵を上げ頑張っております。

昨年の米の作柄は、秋田県でも最も良い米の出来る地域であるにもかかわらず、一等米比率20%強と言う近年にない厳しい状態でありましたが、天寿酒米研究会は特上を含む99%が一等米以上と言う大変優秀な成績でした。しかし、それでも例年に比べますと高温障害(秋田県観測史上二番目の長期にわたる猛暑)の影響を受け、大変脆い米質となり精米や洗米時に異常に砕けやすく、緊張を強いられる状態が続いております。

現在、創業百二十五年目の天寿酒造ですが、昨年十一月二十三日には、六代目 大井永吉の「この厳しい時代だからこそ、若者の発想と行動力を」との思いから、経営陣の若返りを図り、私が社長を仰せつかりました。この思いを問われる時代に、六代目の思い・私の思い・社員全員の思いを、いかに皆様にお伝えするのか、又、皆様の日本酒に対する思い・天寿に対する思いに、いかにお答えして行くかが私の仕事と肝に銘じ、鋭意努力して参る所存でございます。

本年の皆様のご多幸をお祈り致しますと共に、私共への益々のご指導・ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

蔵人のページ

吟醸酒の仕込み始まる

雪混じりの寒風吹く十二月一日、美山錦大吟醸の仕込みが始まりました。(山田錦大吟醸の仕込みは一月)

大吟醸の原料米は、蔵人の(もろみ担当)土田邦夫と(酒母担当)佐藤博美が栽培した美山錦。精米歩合40%まで磨き上げ4本仕込みます。アイガモ農法や社員総出の除草で無農薬栽培した美山錦は「ふりかえれば鳥海」、「矢島物語」としてそれぞれ精米歩合50%と55%まで磨き上げられ仕込みます。さらに、もう2本(開発コード1010)、未発表の◯◯吟醸酒「◯◯◯」用に仕込みが行われます。(精米歩合とは、精米後残った部分を%であらわします。例えば玄米を40%精米し、60%残った場合は精米歩合60%と言う。)

私たちが普段食べているご飯は7~8%、上白でも10%の精米(精米歩合90%)ですが、吟醸酒は、原料米をきわめて白く精米し、お込めの中心のより純粋な部分だけを使用する為、繊細で、緊張感を持った手作業が続く中、杜氏を初めとする蔵人の技が、すっきりした上品でふくらみのある味を醸し出すのです。

原料である米、米麹の白米総量の事を一仕込みの大きさと呼びますが、天寿の場合、蔵人が最も細やかな管理を行う事が出来る750Kgを選択しています。大手とは異なり、天寿最大の仕込みでも2000Kgです。その約三分の一の小さな仕込みですが、この750Kgを仕込む為に180Kgを超える玄米が使用され、およそ100時間の精米時間と秒刻みの米洗い、五十日を超える発酵期間を通じて杜氏、蔵人の総力の下、吟醸酒が誕生するのです。

吟醸酒とは本来、その蔵元と杜氏と蔵人が持つ最高の技術を試し、その向上を目指して挑戦され、販売されることのなかった技術開発の酒であり、まさに今、天寿の蔵人達はその誇りにかけ、お客様に喜ばれる酒の為、一生懸命頑張っております。

製造係長 佐藤俊二


発刊にあたって
1999-11-01

発刊にあたって

専務取締役 大井建史

この度、日頃お世話になっている皆様に、私共天寿酒造がなにを考え・守り・求め・挑戦しているのか、その思いをお伝えし、御理解いただくために、稚拙ではありますが「天寿蔵元通信」として、お送りさせて頂くことになりました。

そのお酒はどのような狙いで造られたものなのか、季節や旬の食べ物に合うお酒・また飲み方は、そして鳥海山の登山口でもあるこの矢島町の様子や蔵の様子など、皆様が自分の酒蔵として親しみを持ち、お仲間にお話し頂けるような内容にするべく努力してまいります。

お気軽に、ご意見やご希望をお寄せ下さいますようお待ちしております。

蔵に活気

専務取締役 大井建史

十月二日、蔵元に新米が初入荷しました。依頼、着々と酒造りの準備は整い、今の時期もろみ仕込みの前段階である酒母仕込みが続いています。

今年の仕込み本数は大小合わせて102本を計画していますが、これまでにも増して要望の多い吟醸酒、純米酒等の比率が高まっています。これに加え今年は同じ精米歩合でも明らかに酒質の向上が確認された扁平精米(原料米の厚みを薄く削る精米方法)での仕込みや、マル秘新商品の仕込み等、盛り沢山の内容となっています。

夏の間に、昨年の造りシーズンに気になっていた釜場周りの床改修や導線の改良などをはじめとする細かな修繕や造りの検討を行い、昨年以上の酒を目指す為、準備してきました。

これまでも、小さな改善の積み重ねが酒質の向上へと繫がることを信じて歩んできました。

日本酒の消費動向を省みれば、絶対量は減少していても美味しいものを適量飲むという要求がますます強まっていることを感じます。

お客様の期待に応えるべく、今年も天寿の蔵は動き出しました。

地域と共に

思い

思いを込めること、それは・・・

希望であり、愛することであり、重い責任である。

私たちは、妻や子供を思い、生まれた町を思い、自分たちの人生を思い、仕事を思う。

酒屋の人間は、農家と似ている。

種籾を思うように原料米を思い、稲を思うように麹や酒母やもろみを思い、収穫を思うようにしぼった酒の出来に一喜一憂する。

それも、希望を持ち、愛し、責任を持って、

思いをこめるからこそである。

「製品に誇りを、顧客に感謝を」を、社是として来た。

製品に誇りを持つと言う事は、自分たちの仕事に誇りを持つと言うことである。

酒屋の表現は、一に売り出す酒の力のみである。そこに、まやかしやごまかしなど以ての外であり、自分が仕事に対し常に向上心を持ち続けているかという事である。

顧客に感謝をすると言う事は、我々は、その人たちに生かされていると言う事を肝に命じる事である。

「ありがとう」と言う言葉の意味は、有り難い(あるはずがない)嬉しい事が起こったから、心を込めて言う言葉と聞いた。

「誇りを持ってした仕事がお客様に評価され生かされる事に感謝しましょう。」と、言う事だ。

我々は、「ありがとう」と言う言葉を、日に何度使うだろう。

お電話を頂いてありがとう

ご来社頂いてありがとう

ご注文頂いてありがとう

蔵を見学頂いてありがとう

手伝って頂いてありがとう

ガンバッテくれてありがとう

本当に思いを込めて言っていますか?

我々は、生まれた町に、誇りを持っている。

独立した長い歴史を持つ町、優れた人材を生み出す町、そして、我々が、誇りを持って造る『天寿』がある。

120余年の伝統を持つ我が社も、その時代々々に変革をして来た。

先人の残してくれた知恵を生かしながら時代にあった革新をしてきたからこそ、歴史を積み重ねる事が出来たのだ。

今の時代、わが町が誇れるものは、すばらしい大自然、そして田園である。

その中で『天寿』が、日本国中を相手にも勝ち残る為には、その有利さを最大限に活用することだ。

酒屋は、大昔から農家と共存して来た。

米がなくては、酒は造れない。

今、米造りも生き残りをかけて頑張らなければいけない時に来ている。

農家が生き残れなければ、我が町は消えてしまうだろう。

これからの酒屋に求められるのは、造り手(素晴らしい米で素晴らしい酒を造り出す人たち)の思いが伝わること、さらに売り手(自分が出向き、直接お客様とふれあいながら、あるいは電話で顔の見えない人と話をしながら、「天寿」に込めた思いを伝える人たち)と飲み手の思いが通う関係を早急に造り上げることだ。

その関係を築き上げる事が出来れば、共に歩めるはずだ。

何故なら、テクニックなどではなく思いが問われる時代だからだ。

社員一人一人が、これからの需要の進化に対応すべく、常に自己改革を重ねて、次の時代にも選択される企業になる為に、お客様の喜びを目指し、自分の仕事に使命感を持って共に新しい時代を築き上げよう。

蔵元通信のバックナンバー(PDFファイル)をご覧になるためには、Adobe Acrobat Readerが必要です。
Acrobat Readerはこちらからダウンロードできます。

バックナンバー


お電話でのお問い合わせ

0184-55-3165

フリーダイヤル:0120-50-3165

平日8:00~17:00

20歳未満のアルコール類の購入や飲酒は法律で禁止されています。