感 謝
代表取締役社長 大井建史
前半は猛暑後半は長雨と、近年の異常気象の典型的な夏でしたが、地元の田んぼは今の所「やや良」と言う事です。穂を垂れた圃場を眺めてその成長を喜びながらも、稲刈り前の台風を警戒している今日この頃です。
酒蔵では西京漬け・奈良漬け・粕汁等に使う夏粕の袋詰めをしながら、蔵や機器の保守点検をし、百四十一回目の酒造りの計画を練っている所です。もうすぐ、呑切(のみきり・新酒を夏越えで貯蔵しその品質を確認する事)もあり、前造りの挑戦の成果に期待しつつも九月は会社の期末でもあり、気持ち的には慌ただしくなって参りました。
七月二十八日(月)、東京・港区のコンラッド東京ホテルにおいて、本格的な国際的日本酒コンテストとして海外の審査員も多数採用して発足した、第八回インターナショナル・サケ・チャレンジが開催されました。http://www.sakechallenge.com/results.html
このコンテストの目標は、国際市場における日本酒に対する理解および認識を向上させ、流通と販売を促進することにあります。
先日その結果発表があり、山田錦やその他有名酒造好適米を使用した有名銘柄の中で、「大吟醸鳥海」と共に契約栽培グループ「天寿酒米研究会」産美山錦で醸した定番「大吟醸天寿」が金賞五点に入り、その中の最高得点を得て「トロフィー」を受賞いたしました。
昔から有る全国新酒鑑評会は、その年造った大吟醸の最高の部分を出品しますが、その他の海外も含めたコンテストでは、実際に販売されている商品そのものが出品されます。従いまして受賞酒その物を皆様は味わう事が可能になるのです。
十六年前に社長に成って以来「地元で出来る最高の酒」を目指して来た弊社です。近年は純米大吟醸鳥海山(今回銀賞)が色々受賞してくれておりましたが、出品酒クラスが多数出展される大吟醸の部で、全て地元産で「トロフィー」を受賞出来た事は、その方針が認められた様で私としては二重に嬉しく有難いのです。
そして今回は、大吟醸天寿「トロフィー」・大吟醸鳥海「金賞」・純米大吟醸天寿「銀賞」・純米大吟醸鳥海山「銀賞」・米から育てた純米酒「銀賞」・純米吟醸天寿「銅賞」・天寿純米酒「銅賞」と出品七点全てが銅賞以上を受賞いたしました。
厳しい要求に挑戦してくれた一関陽介杜氏を頭とする蔵人達と、永年天寿の酒質を支えて来て頂いた天寿酒米研究会の皆様、ありがとうございました。
何よりも力強くご愛顧くださっております皆様に、心から感謝申し上げます。
三年目の意気込み
杜氏 一関 陽介
七月に新酒造年度を迎え、早いものであっという間に二か月が経過しました。日中の厳しい暑さも和らぎ蔵の中も朝晩はひんやりと肌寒くさえ感じるようになってまいりました。蔵の中では純米酒粕の出荷に向けてパック詰め作業を進めております。私も入社して十一年目を迎えますが、これが終わるといよいよ仕込みが始まるなぁ…と感じる初秋の風物詩になりつつあります。
さて、今年度の酒造りについてですが、今心配なのはやはり原料になるコメの状況です。酒米研究会の調査によれば、今のところ気候によってコメに障害を及ぼすような傾向は見られないとの事で、稲作勉強中の私には安心できる一言でした。良質のコメが育つ期待感が増し、十月のコメの入荷がいよいよ待ち遠しくなってまいりました。
今秋で杜氏として三回目の造りを迎えます。只今社長・営業と共に「どのお酒を・どのくらい造るのか」を決定するための計画案作成真っ最中ですが、造りが始まってからは、ただひたすらに打ち込むしかできなかったこの二年とは違い、計画を立てる段階ですでに「どうしたら、自分達の酒が楽しく飲んでいただけるのか」をしっかりと考える余裕をもって臨もうとする自分の(頭の中の)姿勢に自分でもビックリしています。これは酒造りに携わる人間なら当たり前に出来なければいけない事ですし、今までも当然考えながら酒造りをしてきましたが、少し成長したようです。
今年度のお酒には、自分を支えて下さる方、いつも天寿を飲んで下さる方、これから天寿ファンになって下さる方に気持ちが伝わるお酒が届けられるよう、さらに努力して参ります。新酒ができるのを楽しみにお待ちくださいますよう宜しくお願い致します。