謹賀新年
代表取締役社長 大井建史
明けましておめでとうございます。
天寿の里のお正月は酒蔵が雪でかまくら状態になり、酒仕込に好適な温度環境となる十分な量はありますが、ニュースで報道された大寒波は避けて通ってくれた様で、正月三箇日恒例の社長夫婦除雪も適度な運動レベル?で終えられました。
今年は五日が仕事始めとなりましたが、酒蔵の方はもちろん常に活動を続けております。三造り目になった一関杜氏も、「視野を広げて、もっと悩め!!」と叱咤されながら日々邁進しております。寒造りに最適の新年からは特に大吟醸系の酒造りが続き、気の休まらない日々が続きます。今年の原料米のやや溶ける状況も把握し、さらに踏み込んだ挑戦の始まりです。全て新米での仕込の為、十二月十日頃から次々と新酒を送り出して参りましたが、百四十一回目の酒造りで生まれた味わいは如何でしたでしょうか?
さて、そんな天寿の里ですが、町を車で走ると雪で所々道幅が狭くなります。実は道が狭くなっているのは住民の居なくなった空き家の前なのです。
五千人を切って益々人口減少が加速する矢島町では、行政としてはかなり良いレベルの除雪がなされていますが、それでも仕上げは住民の仕事です。文字通り出勤前・朝飯前の仕事ではありますが毎日の事、しかも空き家の除雪までボランティアで行うとなると大仕事です。秋田県の空家数は平成二十五年調査で五万六千六百戸、五年間で一千三百戸増加しています。先日も社員宅の隣の家屋が老朽化し、積雪による倒壊の恐れが出てきましたが、相続人は皆県外に居住していることが発覚する事案がありました。相続も未手続の上複雑で今後の方針を決める目処が立たず、かといって町では税金を使って雪下ろしを数度はしてくれたもののこれ以上は今の所何も出来ないとの返答で、隣の建物の倒壊で被害が出た場合誰が責任を取ってくれるのか…こんな事がざらに有る様です。地元で育った子ども達が都会に出て、残った親が亡くなり住宅が空き家になる。時間の経過に伴う仕方のない事ではありますが、地元の税金で保育園・小学校・中学校・高校を出て今がある人又はその子供たちには、せめて残って地元を支えている人達に安全な道を守るという、地元への恩返しを一度考えて頂くことをお願いしたい次第です。(空家対応策を役場に相談することも可能だそうです。) 矢島の町を安全な除雪の行き届いた美しい街にするため、悩める住民の一人として年始にもかかわらず一言申し上げました。
百四十一年目の酒造り。今年も酒造りに邁進出来ます事を、皆様に心から感謝申し上げますとともに、本年もご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。
三造り目を迎えて
杜氏 一関 陽介
あけましておめでとうございます。本年も美味い酒をお届けできる様に精進して参りますので宜しくお願い致します。
さて、今年度のしぼりたてはご賞味いただけましたでしょうか?数種類あるしぼりたて商品は、全体的に米の溶け具合が昨年より良かった事で搾った時に残る粕が少なく、出来上がった酒は味乗りが良かった印象です。特に新商品「初槽純吟生酒」は原料米全量(めんこいな)を使用したお酒で、私自身酒造好適米を全く使用しない純米吟醸酒に初めてチャレンジしましたが、ナデシコ酵母の特性である華やかな香りと米から出る旨味が上手くマッチした仕上がりになっていると思います。おすすめです!!
仮にしぼりたてが飲み頃であるとするならば、新年を迎えた今ここでしっかり考えなければならない事があります。ここから春までの間は同じ造りをしていてはダメで、商品として一年間安定した品質を保って出荷ができる酒造りをしなければならない事です。近年、製成酒の熱殺菌・低温貯蔵管理をしっかりする事で一定の品質は保つことができるようになりましたが、やはり原点は造りであると思います。自分たちが造りあげる酒質目標に向かって蔵人全員の意思疎通はもちろん、原料処理から搾るまでどの工程が欠けてもいけません。
杜氏に就任して三造り目。「弊社に求められている酒質は?」「天寿の酒質の方向性は?」を社長と共にしっかりと考え、原料米生産者の想い・蔵人の想いをしっかり酒に乗せて、品質の安定した安心して飲める商品造りを継続して行くことをお約束して、新年のご挨拶とさせていただきます。





