創業百四十周年を迎えます
代表取締役社長 大井建史
明けましておめでとうございます。
旧年中は格別のお引き立てを賜り心から御礼申し上げます。
矢島の里は雪の降り始めの量にも驚きましたが、正月休み中の天気も寒波が来て毎日家内と雪寄せしながらのお正月でした。皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか?
昨年の十月から事務所の改築工事に入りました。今年九月に創業百四十周年を迎えるにあたり、事務所の外壁の補修を兼ねて外観を変え、天寿のお酒により楽しんでふれて頂けるよう新たな空間を目指して、常設試飲場を併設いたしました。天井には創業期に建てた二号三号蔵の太い棟を六代目が製材所に持ち込み、棟書き部分のみ板に挽いて残してあったものを展示いたしました。
酒造りの方は一関陽介杜氏のもと、高温障害の困難な原料米にもかかわらず、一昨年の同様の経験が物を言い、また、酒米研究会内で暑かった出穂後に水を当てる事が出来た田圃を調査し、生産者毎に細やかに対応が出来ました。さらに昨年の二名に加え若手の蔵人が一名加わり、蔵の中が一挙に若返った感があり、元気に明るく頑張っております。
緊張しながらの酒造りの毎日ですが、新酒の評価を頂くにつれ、若干の安堵と品質への確信を深めてきたところです。
昨年も純米大吟醸鳥海山が「ワイングラスでおいしい日本酒アワード・最高金賞」「全米日本酒歓評会・金賞」、燗上がり純米酒が「燗酒コンクールぬる燗部門・最高金賞」受賞等大きな評価を頂きました。
伝統を守りつつ更なる向上を目指し邁進して参ります。
本年も変わらぬご愛顧の程お願い申し上げます。
天寿の歴史
補遺―19
補遺―19
明治十二年―其の二
六代目 大井永吉
搾器械に関する届が多く出されている。搾器械とは木製の箱状で酒袋に醪を注いだものを積み重ね上から圧をかけて搾る酒槽(さかふね)のことで、以前は天秤式で大きな石を錘にして圧搾していた。時代と共に仕込の大きさに従い槽の大きさも変わり、圧搾も油圧式となり、現在は自動圧搾機に進化している。当時、酒造期以外は封印され、造りが始まると使用に先立ち開封許可が必要だったようだ。寸法、容量も検定を受けなければ使用できなかった。課税が造石税だったので製造石数には厳しかったと思われる。
清酒掛槽明細御届
清酒掛槽壱個
巾 二尺九寸
長サ 四尺九寸五分
深サ 二尺七寸五分
此入石六石八升九合
此掛石五石五斗
此滴石四石壱斗八升五合
右之通相違無御座候、 以上
秋田県由利郡城内村百七番地
明治十二年三月 大井永吉㊞
秋田県令 石田英吉殿
搾器械枠新調御届
長サ 四尺八寸八分
一枠 巾 二尺八寸八分 壱個
深サ 八寸七分
右新調仕候間此の段御届申し上げ候、 以上
明治十二年三月 由利郡城内村
大井永吉㊞
由利郡出張官
秋田県等外三等出仕 井上金吾殿
御 請 書
搾器械御封印 三ケ処㊞
(別筆)
「明治十二年十一月廿九日 開封㊞
秋田県九等属 熊谷 直諒㊞」
右之通本日御封印相請候、相違無御座候、依而此段御請仕候也
明治十二年四月廿九日
羽後国由利郡城内村百七番地
大井永吉㊞
秋田県出張官 林 金吾殿
搾器械封緘破裂ニ付御検査願
本年五月中由利郡出張官林金吾殿夏酒御検査之末搾器械御封印相成候処、本日十五日醸造場取片付之際誤テ女種之封緘破裂仕、其疏漏之段恐入候、此旨村役場江モ御届致置候、依之、奉願候モ恐縮之至ニ候得共、何卒特別之御詮議ヲ以速ニ御検査被成下度此段奉願候、 以上
明治十二年十月 由利郡城内村
大井永吉㊞
秋田県令 石田英吉代理
秋田県小書記官 小野修一郎殿
書面之通相違之無、依而奥印仕候、
戸長 石川勝良㊞
(朱書)
「書面願之趣聞届、不日官員出張令検査候事、」
明治十二年十月廿七日
秋田県令 石田英吉代理
秋田県小書記官 小野修一郎㊞





