謹賀新年
代表取締役社長 大井建史
明けましておめでとうございます。
旧年中は格別のお引き立てを賜り心からお礼申し上げます。お陰さまで全国新酒鑑評会金賞受賞に始まり、世界的に権威あるインターナショナル・ワイン・チャレンジでも純米吟醸鳥海山が金賞を受賞し、現在14の在外日本大使館よりご注文を頂いております。
また、情報番組「ミヤネ屋」の特集で、野田首相が地元の秋田料理店「かまくら」に行かれる度に「天寿本醸造」を4合以上飲まれる酒豪との報道がなされ、秋田でもそれが新聞記事に取り上げられ、嬉しいトピックスにもなりました。他にもワイングラスでおいしい日本酒アワードで「天寿 米から育てた純米酒」が最高金賞を受賞、全米日本酒歓評会で「天寿 純米酒」が金賞を受賞するなど大変励みとなった1年でした。
さらに、香港・台湾・中国・アメリカに続き、韓国への輸出も新しくスタートいたしました。サカヤコリア(www.sakayakorea.com)と言う出来たばかりの日本酒専門の輸入販売会社ですが、元気一杯に活動されております。
韓国のフュージョン系のレストランでは日本酒も置かれるようになってきました。旅先で天寿製品を見つけられましたら是非お試しください。
今期の酒造りも新米の入荷された10月末から始まりました。前期は高温障害によりこれまでに無い程難しい米で、しっかり対応出来るようになるのに相当の時間を要しました。今年の米もやや高温障害の傾向が見えますが、昨年よりはかなり良好で、これまでの経験もあり今のところ順調に推移しております。
年が明け本格的な吟醸の仕込み時期に入ります。雪もしっかりあり、仕込み蔵はかまくら状態で低温安定の条件も整いました。雪害の修繕が何とか終わった途端にまとまった雪が降り出しましたが、昨年と比べるとまだ大丈夫。寒暖差があり屋根の雪も落ちる暇があります。去年のように切れ目なく雪が降り続く事の無いよう祈るばかりです。
今年も様々な面で厳しい年ではあるでしょうが、社員一同一丸となり、さらなる品質の向上を目指して邁進して参ります。
本年も変わらぬご愛顧の程、よろしくお願い申し上げます。
天寿の歴史
補遺―13
補遺―13
『穏便』に聞き届け候事
六代目 大井永吉
明治十年は新政府にとって試練の年であった。志を同じくして新政府造りに努力した西郷隆盛が野に下り、西南戦争にまで発展、世の中は騒然としていた。その影響でもないだろうがこの年の造りに手違いがおきている。「日限見込み違いをして槽掛けが遅れたので新酒の検査を延期して欲しい」と願い書を出している。現在は申告出荷課税だが、当時は調査課税で、税務署員が立ち会いで調査し課税したのである。願いに対する返事は、「願いの趣は不都合だが此度に限り聞き届候」とあった。
まことに穏便な計らいであった。
三月には四月に納付すべき半期の酒造税の納付期限厳守の示達が出ている。四月と八月が納期だったが、その頃納期に遅れる者がいたのか厳しいお達しである。各区戸長を通じて注意喚起しているが、区戸長の責任と権限が推察される。
年間の売上が伸びなかったのか、次年度の見通しについて例年十月に届ける醸造見込石数は前年と同石数の八十石で届出している。
新酒御検査延期願
本月一五日新酒御検査被成下度段、兼而御届申上置候処、日限見込違仕、未タ槽掛済ニ相成兼候ニ付、本年二月五日迄延期御猶予被成下度、此段奉願候、以上
秋田県第四大区三小区羽後国
由利郡城内村弐百拾弐番屋敷
大井 永吉㊞
明治十年一月
秋田県権参事 白根 専一殿
前書之通相違無之、依而奥印仕候
竹村 秀高㊞
(朱書)
書面願之趣不都合ニ者候得共、此度限聞届候
明治十年一月三十一日
秋田県 ㊞
明治九年分酒造税納期厳守示達
乙第五拾弐番
各区 正副区長
明治九年分各酒醸造税、凡半期ハ来ル四月中上納之成期ニ付而ハ、各営業人共ヨリ成期通上納ハ勿論ニ候得共、万一心得違等ニヨリ失期候而ハ不都合ニ付、豫テ営業人共江申達置各小区纏メヲ以失期不致様上納方注意可致、此旨相達候事、
明治十年三月四日
秋田県権令 石田 英吉
製酒醸造見込石御届
一清酒八十石
但、新酒、夏酒共
右者、本年十月ヨリ明治十一年九月迄一期之間醸造見込石数ニ御座候間、此段御届申上候
明治十年十月
第4大区三小区由利郡城内村弐
百五番地
営業人 大井永吉㊞
秋田県権令 石田 英吉殿
前書之通相違無之、依而奥印仕候也
第四大区三小区城内村道部事務
処
戸長 石川 勝良㊞
(朱書)
書面届出之趣聞届候事
明治十年十一月廿七日
秋田県権令 石田英吉代理
秋田県小書記官 白根専一㊞





